不可思議な謎、卓抜な推理、ユーモア等のあふれる古典的傑作の第一短篇集。詩人鮎川信夫による新訳。霧深いロンドンを舞台に不可思議な事件と対決する、名探偵シャーロック・ホームズ。その卓抜な推理、クールな人間味、脇役ワトソンとのユーモアに富む友情と、推理小説の原型,,,
河竹黙阿弥の死後、長男をさしおき、娘・糸女が歌舞伎作者の家を継ぐ。相続や著作権をめぐるトラブルに巻きこまれながらも家を守る、生涯独身で謎的な女丈夫だった糸女。そして坪内逍遙の仲だちで、養嗣子・繁俊をむかえることになる。曽祖父・黙阿弥への想いと綿密な考証を重,,,
独身実業家・沖邦彦の花嫁公募に殺到した若い女性の群れから、最後に4人が選ばれた。平凡なOLの中山美佳もそのうちのひとり。4人は沖と京都へ旅する。第1夜に美佳は沖と結ばれ、幸せにひたるが、他の花嫁候補の身に惨事が起きていた。そしてまた次の犠牲者が……。華麗な,,,
職業病にかかり製糸工場をやめたジュンは、工員寮のママさんとしてキューポラのある街に帰ってきた。もう20歳だ。「沖縄の歴史の変わるべき日にジュンの歴史も変わる」――沖縄返還デモに参加した日から、一人の労働者として仲間とともに考え、明日へはばたこうと決意する。,,,
19歳になったジュン。進む道はそれぞれちがうが、キューポラの街の仲間とともに、恩師の教壇復帰運動に、若いエネルギーをぶっつけていく。それは、地下室に職場を移され、過重な労働をさせられているジュンにとって、自らを脱出させるものなのだ。懸命に生きる若者たちを描,,,
17歳の誕生プレゼント「赤いらせん階段」は、津村ノブ子にとって、思想と行動の自由の象徴のはずだった。ところが、長髪禁止の問題、高校生の横のつながりを求める動き、その連帯を断ち切ろうとするもの……が、ノブ子たち高校生を「よういならぬ時間と空間」の、危険な状況,,,
吉永小百合の主演映画で、そして演劇でも話題を呼んだ、大河小説の第2巻。定時制の女子高に進学したジュンは、働きかつ学ぶ悩みに直面する。工場の労働組合の集会に出席すると授業に遅れるし、集会は賃金のベース・アップのためのものだ。勉学も生活もジュンにとっては両方と,,,
鈴木ジュンは、キューポラのある街、埼玉県川口市の中学3年生。一家は貧乏な鋳物職人の父・辰五郎、いつも生活費の工面でイライラしている母・トミと、ひねくれ者の弟・タカユキ。そんな生活の中で自我に目ざめ、進学か就職かに悩むジュンの姿を、心とからだの両面から鮮烈に,,,