鏡じかけの夢(新潮文庫) (1巻) | 秋吉理香子
未分類その鏡は、磨く者の願いを叶えるという。会いたい、羨ましい、妬ましい、もっと欲しい、憎い……。願えば願うほど、心に秘めた黒い欲望は醜く膨れ上がり、全てを呑み込む。看護婦の羨望。鏡研ぎ師の嫉妬。踊り子と富豪の禁忌の愛。戦争孤児と奇術師の絆。ヴェネツィアの双子姉,,,
その鏡は、磨く者の願いを叶えるという。会いたい、羨ましい、妬ましい、もっと欲しい、憎い……。願えば願うほど、心に秘めた黒い欲望は醜く膨れ上がり、全てを呑み込む。看護婦の羨望。鏡研ぎ師の嫉妬。踊り子と富豪の禁忌の愛。戦争孤児と奇術師の絆。ヴェネツィアの双子姉,,,
凶悪事件が長年起きていない佐紋署に、田添杏美副署長は異動した。だが赴任早々、山間部で殺人事件が発生した。おりしも隣接署で起きた事件で緊急配備の最中だった。ほぼ同時刻、港ではもう一つ事件が起きていた。被害者は、警官だった……。捜査に不慣れな署員もそれぞれの任,,,
巨大銀行を舞台にした謀略に気付いた研次郎が密かにアミを張る――三宮銀行の専務がベッドでの密事を盗撮された、女子行員が行方不明になった、支店長のセクハラ問題が起こった……。特命社員・水方研次郎は別々の事件を追ううちに、国家権力に結びつく謀略の臭いをかぎとった,,,
剣を抜く前に相手を見切る。それを過てば死――剣のみならず人との関係も要諦はその一点にある。知行二百石の家柄だが部屋住の身の栄次郎は、ある稽古からの帰途、何者かに襲われた。襲撃者はいずれも武士で、しかも剣の手練れ揃い。彼らは何者なのか?なぜ、自分を狙うのか,,,
人形町の小料理屋女将お蓮が急死したとの報せを聞き、蜻蛉屋こと通称とんぼ屋のお瑛は、慌ててお蓮宅に駆けつけた。彼女は店の上得意なのだが売掛金が滞っていたのだ。残金回収のために奔走するお瑛。夏やせから来る急な病いとは本当なのか?真相はどこにあるのか?やがて,,,
直参旗本千石、花輪家の次男坊・征史郎に、九代将軍家重の側近・大岡忠光から密命が下った。日本橋の両替商・両口屋が目安箱に「喜多方藩で御家騒動の恐れあり」と投書してきたので探索せよ、というのである。喜多方藩主と家重の次女紀美姫の婚儀が整っていた。無外流免許皆伝,,,
純文学・ロマンス・ホラー・コメディと様々な世界観を凝縮した短編集シリーズ第1弾。愛すべき主人公たちが織り成すヒューマンドラマが、時には悲しく、時にはおもしろおかしく、バラエティに富んだ筆致で語られる。表題作「月を産む」は2000年1月、長崎新聞に全文掲載さ,,,
葉山の海を見渡す楽器店。店主の牧野哲也は、歌手デビューを控えた従妹の涼夏のため、彼女の繊細な歌声に合う音色のギターを探していた。亡き父がかつて持っていたマホガニー製のギターなら……。そんな幻のギターを復元するために見つけたのは古い木製のヨットだった。世代を,,,
ナターシャと破局後、軍務に復帰し前線に戻ったアンドレイは、途中、父の領地への敵の接近を報せるが、退避目前で父は死去し、妹マリアは領地農民の反抗にあう。一方ピエールは戦争とは何かを探ろうと戦地へ向かい、砲弾戦にあう。モスクワに迫るナポレオンと祖国の最大の危難,,,
美月が比羅夫駅のコテージのオーナーになって、そろそろ半年。お客さんが少ない3月は交代で休みを取る時期だ。コックの亮が不在のその日、天候の影響で肉も魚も届かなくなってしまう。亮の兄の健太郎の手配でやってきたのは、自ら仕留めたエゾシカの肉を担いだ美女だった――,,,