隠密廻り方同心の涼風榊は十三歳。最年少同心としてしっかりふるまおうとする榊のことが、姉の花織は心配でならない。愛する弟を守るために付きまといながら、江戸の町で起きる事件を二人で解き明かす。江戸の駄菓子もたっぷり登場。ゆるり楽しめる、新感覚捕り物帳第二,,,
大正時代、名家・久我家は当主の失脚により没落。御嬢様だったまりあは許嫁に婚約破棄され、下町のボロ家に住んでいる。そんな彼女が夜会で出会ったのは、日本有数の名家である山上家の装二郎。しかし山上家には、帝都にはびこり夜な夜な事件を起こすあやかしを匿っているとい,,,
大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったい、なぜ――?だが、その行動は、いつしか町の人たちを少しずつ変えていく。さまざまな葛藤を,,,
『日常』『精霊』『幻想』これは三層の世界観からなる物語。『犬キューピット』とは人と犬の幸せな共生の為、密かに働く精霊たち。その一方ペットブームの裏側にある歪な現実。「殺処分」「虐待」「繁殖犬」人間の愛情を知らない魂『サマヨイ』人間への復讐を選ん,,,
理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。※当電子版は新潮文庫版『流転の海』第一部〜第九部をまとめた合本版です。
愛なのか、狂気なのか──。女性エッセイストが絶賛したことを機に、一躍脚光を浴びた知られざる天才画家。美術誌の編集者だった橘は、胸に迫る画風に惹かれ、無名のまま亡くなった謎の男の画集を企画するが、未亡人は、作品の何点かを贋作と頑なに主張する。いぶかしがる橘を,,,
あなたは、そこまでして私の人生を邪魔したかったの――。認知症の母を介護するために恋人と別れ、仕事のキャリアも諦めた直美。孤独死した父への悔恨に苛まれる頼子。糖尿病の母に腎臓を提供すべきか苦悩する慧子。老親の呪縛から逃れるすべもなく、周囲からも当てにされ、一,,,
人が生きてきた時間を封じ込める――それが、肖像彫刻。芸術の道を諦めて、八ヶ岳山麓で職人彫刻家として再出発した正道。しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。亡き両親、高名な学者、最愛の恋人……周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めたホンネと,,,