虫たちの墓 (1巻) | 結城昌治
未分類米軍将校を処刑した村井を縦糸とするこの長篇小説は、多彩なエピソードによって、戦中・戦後の時代精神、風俗を浮き彫りにする。今でも、B・C級戦犯容疑に問われた元兵士たちの胸の中を、なお、乾いた風が吹き抜けるのはなぜか?生死を賭して戦場から辛うじて帰国した兵士,,,
米軍将校を処刑した村井を縦糸とするこの長篇小説は、多彩なエピソードによって、戦中・戦後の時代精神、風俗を浮き彫りにする。今でも、B・C級戦犯容疑に問われた元兵士たちの胸の中を、なお、乾いた風が吹き抜けるのはなぜか?生死を賭して戦場から辛うじて帰国した兵士,,,
戦争は終わった。しかし、出征した兄は帰ってこない。肩身の狭い疎開の日々は、なお続く。不甲斐ない父と、変節する大人たち。少年は哀しみを抱きつつも、試練を乗り越え成長していく……。教科書に収録され読み継がれてきた、知る人ぞ知る傑作。戦後のあの青空と唄声が鮮やか,,,
即身仏を志す盗賊の心情、信長の影武者をめぐる謀略、蹴鞠(けまり)に入れあげ乞食に身を落とす今川氏真の運命、討入りを脱落した高田郡兵衛の苦衷、首斬り浅右衛門家に養子に入った男の巧妙な計算……。「志願」というユニークな視点から歴史の謎を切りとった、9編の意欲連,,,
おれには生きる場所があるのか……。朝鮮人からも日本人からも疎んじられる、曖昧な存在に苦悶する、石時雄の叫びである。天皇へのテロを妄想し、自殺を計る長い苦悩の闇。焦燥や挫折の果てにみた、希望の光。日本人の妻の愛と友人の励ましを受けて、力強く再生の道を踏み出す,,,
言葉は、味も匂いもある生きもの。病気もするし、薬石効なく死にもする。「辛抱」「気持ち」「じれったい」「きまりが悪い」「時分どき」「うすなさけ」……。色気があり、柔らかで耳障りのいい日本語が、死にかけている!ウナ電を打たねば、「ニホンゴキトクスグカエ,,,
サラリーマンの様々な願望を実現する6枚の切符……。歴史の変更に挑戦するための切符、大富豪になる方法をもたらす切符、変身願望を実現する切符、超能力訓練所行きの切符、異次元世界へ脱出するための時刻表と切符、型破りの発想で転職するための切符――を手にした男たち6,,,
台湾〜沖縄の人情味溢れる船旅の後は、インドネシアの「夢の島」にあるナゴヤタウンの謎に迫る。モンゴルで、無人の草原に遊んだり、酒も強くないのに本場のスコッチを求めてスコットランドへ……。どれも、ほんの一瞬の出会いだったのに、いつまでも心に残る風景・人・言葉。,,,