すみれ野 立場茶屋おりき (23巻) | 今井絵美子
未分類師走もはや十三日。極上の料理と温かな気遣いが評判の「立場茶屋おりき」でも、朝から男衆たちが旅籠の煤払いに余念がない。そこへ養護施設「あすなろ園」の雄次が心細気な顔をして通りかかった。猟師町にひとりで出かけてくるという。そこには、おりきたちの深い親心があった,,,
師走もはや十三日。極上の料理と温かな気遣いが評判の「立場茶屋おりき」でも、朝から男衆たちが旅籠の煤払いに余念がない。そこへ養護施設「あすなろ園」の雄次が心細気な顔をして通りかかった。猟師町にひとりで出かけてくるという。そこには、おりきたちの深い親心があった,,,
居酒屋「ぜんや」の女将・お妙は、亡き夫・善助の過去について新たな疑念にとらわれ、眠れない夜が続いていた。そんななか、店の常連客である菱屋のご隠居の炉開きで、懐石料理を頼まれる。幼い頃に茶の湯を習っていたお妙は、苦い思い出を蘇らせながらも、客をおもてなしした,,,
ブラック企業で働き、心身をすり減らしていた俊太郎。ある日目覚めると、なぜかそこは道ばたに敷かれたふとんの上で、横に置かれたちゃぶ台にはできたての朝食が用意されていた。湯気の立つご飯に味噌汁、肉厚なあじの干物にだし巻卵……。しかし、おかわりを勧めてくれたノエ,,,
同じ造りの二軒の家の片方が焼失して十余年。残された〈二軒家〉は川越の「町づくりの会」によって、昭和の生活を紹介する資料館として改修されることに。片付けのボランティアに参加した守人は、家の声の導きで、天袋に収められた七段飾りのお雛さまを見つける。しかしなぜか,,,
静寂の帳に沈んだ丑ノ刻、日本橋本町の薬種問屋・三倉屋が赤い炎に包まれた。焼け跡からは、三倉屋の商人、奉公人たち全員の斬殺された死体が発見される。隠密廻り同心・長月隼人は、手下の八吉の報告を受け、一年前、『赤猫』と呼ばれ恐れられていた火付け夜盗の手口を連想す,,,
江戸府内の日本橋川で牢人の死骸が見つかった。首皮一枚だけを残した死骸は、凄まじい剣戦の痕を語るものだった。八丁堀の鬼と恐れられる南御番所隠密廻り同心・長月隼人は、その手口から、半月前の飾り職人殺しとの関わりに気付き、探索を始める。やがて、二人が借金に苦しめ,,,
いままで、怖い体験をしたことがないから、これからも大丈夫だろう。誰もが、そう思っている。実際に怖い体験をするまでは……。人は出会ったことのない恐怖に遭遇すると、驚くほど、場違いな行動をとる。ことの重大さを認識するのは、しばらくたってからである。恐怖体験のコ,,,
前作で終りとなるはずだった……。だが、発売後、堰を切ったように筆者の下に集まり始める怪奇譚。あれよあれよというまに百話になってしまった。これは、世に出たいと呪う怪奇の仕業なのか?編集部にも怪奇が来襲し甚大な被害を及ぼした、本当に百話収録した実録怪談集。絶,,,
遠足バスの事故で愛娘・香苗を亡くした母・若葉は、事故から十六年後に見るようになった不思議な夢の中で、過去の自分と交信ができることに気づいた。香苗の死を回避しようとする若葉に対して、過去の若葉は、香苗だけではなくバスに乗り合わせた全員を助けたいといい出す。い,,,
「かなちゃんのお仏壇を、だして」。多賀内若葉は、成人式を迎えた’ひとり娘’の菜苗から、思わぬ願い事をされた。二十年前に双子を授かったときには、愛らしい娘たちと優しい夫の家族四人、いつまでも幸せに暮らすのだと思っていた。けれど、それから五年後の夏、双子の姉・,,,